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《伯爵与妖精》卷二:小心甜蜜的陷阱第一章1.8

时间:2011-10-14 13:06:44  来源:可可日语  作者:ookami

 エドガーに案内され、南向きのサロンヘリディアが入っていけば、女性がひとり、緊張した面(おも)もちで立ちあがった。
「お待たせしました、ミセス?マール。彼女がフェアリードクターの、リディア·カールトン嬢です」
 それを聞いて女性は、やや表情をゆるめた。
「まあ、こちらが……。魔女というと老女のイメージがあったものですから。こんな若いお嬢さんに、恐ろしい話などしてよろしいのかしら」
 妖精博士(フェアリードクター)は魔女じゃないのよ、と引っかかったが、よくある誤解だ、いちいち目くじらを立てては大人げないと思い直す。
「ご心配なく。妖精のことでしたら、恐ろしさはよくわかっていますから」
 エドガーは、マール夫人に椅子を勧めた。
「それで、ドーリス·ウォルポール男爵(だんしゃく)令嬢(れいじょう)が、霧男(フォグマン)に連れ去られたかもしれないとのことでしたが?」
 腰をおろしたマール夫人は、エドガーの問いかけにまたうなだれた。
「そうなんです。お嬢さまが、三日前から家に戻っていません。チャリティバザーの手伝いに出かけて、その場ではぐれたというのが付き添っていたメイドの話でしたが、それきり行方(ゆくえ)がわからないのです」
 男爵家の令嬢がいなくなった。しかも、霧男にさらわれたという話らしい。深刻な内容に、リディアは気持ちを引き締めた。
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 マール夫人の説明によると、十六歳のドーリス嬢には両親がなく、後見人(こうけんにん)の叔父(おじ)と、ひとつ年上の従姉(いとこ)と一緒に暮らしているという。
 ウォルポール男爵家で、以前家庭教師をしていた夫人は、結婚を機に辞めてからも令嬢とは親しくしていたそうだ。男爵家の遠縁ということもあって、令嬢の行方不明を知り、友人として行方を気にかけている。
 しかしこういったことは、上流階級の令嬢にとっては後の縁談にかかわる不名誉にもなり得るために、男爵家の方で内々に捜索されているが、夫人が霧男の話をしたところ、笑われて終わったらしい。
 それはまあ、リディアもよく妖精の話をして笑われているからわかる。

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