您现在的位置:首页 > 双语阅读 > 小说与诗集 > 伯爵与妖精 > 正文

魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第七章7.2

时间:2011-10-09 13:19:07  来源:可可日语  作者:ookami

丘の頂上の、ヒトデの門をくぐり抜ければ、レース状に連なったクラゲのカーテンに迎えられた。
 その向こうから、メロウがひとり現れた。
 青騎士伯爵の城で会った、あの少女だ。
 リディアとエドガーを交互に眺め、困ったようにため息をついた。
「フェアリードクター、いったいどういうおつもりですか」
「責任者はあなたなの?」
「わたしの父です」
「会わせてほしいの」
「……こちらへどうぞ」
 部屋の中へと案内される。
 メロウの家には屋根がない。壁というほどのものも少なく、岩や海獣(かいじゅう)の骨でできた柱とアーチが並び、海草や貝殻のカーテンで仕切られているという様子だった。
 とびきり美しい、真珠貝(しんじゅがい)で飾られた柱のある部屋に、彼女の父親だというメロウはいた。
「リディア、大丈夫なのか? 頑固そうなメロウだぞ」
 ニコがささやく。
「さあ、どうかしら」
 リディアは敬意を表してお辞儀(じぎ)をする。エドガーはただものめずらしそうに、ずんぐりした男のメロウを見おろしていたが、リディアにはそれはそれでかまわなかった。
「フェアリードクターのリディア・カールトンです」
「何用(なによう)か」
「〝メロウの星〟を受け取りに来ました」
 言って、宝剣のサファイアを示してみせる。
「それは伯爵が持っている。本物の伯爵が戻ってこない限り、サファイアに星は入れられないと聞いただろう」
「そこをなんとかしてほしいんです。このサファイアが〝メロウの星〟と言うからには、もともと星を入れたのはあなた方ではないのですか?」
「そうだ。国王と青騎士卿との絆(きずな)をあかすしるしとして、卿の従者だったわれらの先祖が、ふたりの目の前で入れた星だ。だからといって、また星を入れろと言うのか?それはできない。伯爵はいないのだ」
 \
「彼が伯爵です。金と銀の鍵(かぎ)を手に入れ、謎を解いて宝剣の隠し場所までやってきました。あなた方は、かつて伯爵と交わした約束どおりの条件を満たす者を、新たな伯爵と認めるつもりだったはずです」
 エドガーは驚いたようにリディアを見たが、口ははさまなかった。
「だが、最後の条件を満たしていない。宝剣によって血を流した」
 問題はそこだった。
「青騎士伯爵が、あの場で宝剣を試すことを条件に盛り込んだのはなぜですか? あれは本来条件ではなく、あらゆる陰謀(いんぼう)の可能性から、伯爵の継承者(けいしょうしゃ)を守る手だてだったのではないですか?」
 メロウが黙り込んだので、リディアは、慎重(しんちょう)に言葉を選びながら続けた。
「伯爵の血を引く者は、自分の血筋を知らないまま、誰かに利用されるかもしれない。また彼をだまし、宝石を手に入れるためについてきている者もいるかもしれない。けれどもこの剣は、魔法を帯びた剣。伯爵の後継者とその信頼できる部下たちを傷つけることはできない、違いますか?」
「……そのとおりだ、地上の娘よ。伯爵だという人物が宝剣を受け取りに来た、そのとき彼ら全員に、剣を試してもらう。宝剣によって血を流す者がいるならば、取り除くこともわれらの役目だった」
 本物の伯爵なら、星とひきかえにするという意味を取り違えたりはしない。犠牲(ぎせい)に捧(ささ)げるべき人を連れてくるわけもなく、自分の身分を証明する宝剣のある場所へ連れてくるのは、信頼できる人物だけであるはずだ。
 けれどもし、その場で血を流す者がいれば、邪(よこしま)な考えを持った人物が紛れ込んでいる証拠になる。本物の伯爵がその場にいるならなおさら、メロウは伯爵を守り、邪な人物を排除しなければならなかった。

上一页 [1] [2] [3] [4] 下一页

相关阅读

无觅相关文章插件,快速提升流量