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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第五章5.8

时间:2011-09-26 13:31:06  来源:可可日语  作者:ookami

「もうしわけありません、エドガーさま。あなたを見張り続けることができるなら、当分手出しはしないでいてやると言われておりました」
「まさか……、プリンスにか?」
 エドガーは、声に憤(いきどお)りをにじませた。
 プリンスと口にするとき、その顕著(けんちょ)な怒りが、リディアにも耳障(みみざわ)りに聞こえる。エドガーたちを奴隷(どれい)にしていた人物のことだとわかるが、それだけではなく、もっと深く、彼らにとって憎悪(ぞうお)と畏怖(いふ)とが混ざり合った強い感情を呼び起こす存在だ。
「僕たちの動きが、これまでも奴に筒抜(つつぬ)けだったと?」
「アメリカで処刑されそうになったとき、実験材料を探していたゴッサムを利用することにしたのはあなたの考えでした。でも、ゴッサムのことをわたしに教えたのはプリンスです。あの方は、そうやってわたしたちを支配し続けている。わたしたちがあがき続けるのを楽しんでいるように思えます」
「……この、宝剣のことも奴は知っているんだな? そうして高みの見物でもしているというわけか」
「知っています。宝剣など存在しないと考えているようでした。でもあなたは、リディアさんの力で確実に宝剣に近づいている。もし手に入れば、プリンスと縁を切ることができるかもしれない。でもそれは、あなたにわたしの裏切りが知れてしまうということ。だから、迷いました。宝剣をあきらめてくださるなら、もう少しだけおそばにいられる……。でも、何よりもわたしは、あなたを危険にさらしたくない。エドガーさま、この先に進むのは、青騎士|卿(きょう)と縁のないわたしたちには無謀なことです。裏切り者とののしってくださってもかまいません。もはやわたしにできることは……」
 不意にリディアは、アーミンの腕に抱きすくめられた。
「リディアさん、恨(うら)むならわたしだけを」
「やめろ、アーミン!」
 エドガーが叫んだときには、リディアの身体(からだ)は手すりを越え、断崖に向けて押し出されようとしていた。
 とっさにつかまろうとしたのはアーミンの身体で、しかし彼女も、リディアと一緒に飛び込むつもりだったからどうにもならない。
 視界の天地が反転した。
 とてつもなくゆっくりと、空と海をながめている気分に酔ったそのとき、ぐいと身体が引っぱられた。

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