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每日阅读(12.5):運命

时间:2008-12-05 09:38:17  来源:本站原创  作者:Echo

「運命」。この一言に大きな重みがあった。今はサハリンと呼ばれる樺太に出征して63年ぶりに故国の土を踏んだ元日本兵、上野(うわの)石之助さんの言葉だ。

       “命运”。一个沉甸甸的词语。这是原日本兵上野石之助所说的话,他曾出征桦太岛(如今被称为库页岛),整整隔了63年才重回故土。

 

 記者会見で、これまで帰国しなかった理由を問われ、ロシア語で述べた。「答えたくない。ただ運命だった」。戦後の生活については「どんな状況になっても生き抜いていく。それしかなかった」。テレビ画面での、言葉を絞り出すような姿は、たどってきた人生の厳しさをうかがわせる。一方で、83歳で見せる軽やかな身のこなしや時折の笑顔に、今の暮らしは静穏なのだろうと想像した。

       记者招待会上,上野被问到为什么之前没有回国时,他用俄语说:“我不想回答。这只是命运在作祟。”关于战后生活,他说:“无论在什么情况下都要坚持活下去。只有这样做。”从电视中上野勉强着说话的样子,可以看出他所经历的人生是何等的残酷。然而另一方面, 看到83岁的他仍然轻快的举止和偶尔浮上脸庞的笑容,便能想象出他现在生活的平静安稳。

 

 1945年の8月に日本が戦争に敗れた後も、樺太ではソ連軍との交戦がしばらく続いた。生きて敵の手に落ちるまいと、多くの人たちが自決している。

       1945年8月,日本败战后仍在桦太与苏联军队交战了一段时间。为了不被敌人生擒,不少人都自杀了。

 

 上野さんは戦後もサハリンに滞在していたが、58年から消息不明となり、2000年に戦時死亡宣告を受けた。最近になって、妻の故郷のウクライナに居ると分かった。

       上野战后仍留在了库页岛。从58年起,他便失去了音讯,2000年时被宣告为战时死亡。最近才知道他居住在妻子的故乡乌克兰。

 

 ウクライナといえば、映画「戦艦ポチョムキン」の舞台となったオデッサを連想する。オデッサは、古代ギリシャの叙事詩にも出てくる英雄オデュッセウスにちなむという説がある。

       说起乌克兰,笔者联想起电影《波坦金战舰》的舞台敖德萨。有一种假说认为,敖德萨(Odessa)来源于古希腊叙事诗中提到的英雄奥德修斯(Odysseus)。

 

 オデュッセウスはトロイでの戦争を10年戦い、帰国するまで更に10年を費やした。その20年という不在の3倍もの間、上野さんは異郷で過ごした。この長い不在と帰還は、戦争で帰れなかった多くの人々の「運命」をも思い起こさせる。今はふるさと岩手の山河に包まれて、家族と時を共にする喜びに、ゆったりとひたっていただきたい。

       奥德修斯在特洛伊战争中经历了10年浴血奋战,到回国为止又花上了10年时间。而上野寄居异乡的日子,是奥德修斯20年漂泊生涯的三倍。他漫长的漂泊与归回,不由让人想起很多在战争中永远回不来的人们的“命运”。真希望如今上野在家乡岩手的山水间,好好地沉浸于与家人团聚的喜悦中。

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