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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(167)

时间:2012-07-11 10:29:01  来源:可可日语  作者:ookami

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

「こちらはなんの会社に出とるんか?」
「あぁ、出版社」
「オマエはそこで、なんをしよるんか?」
「イラスト描いたり、原稿(げんこう)書いたりとか」
「それで、食えよるんか?」
「まぁ、前よりはマシや」
「そうか。なら、もうちょっと辛抱してやってみい」
「そうやね」
オトンはクラブのママに電話の子機を借りると、オカンの所に電話しろと言った。
「今から帰るけん、茶漬けの用意をしとってくれち、お母さんに言うとけ」
午前二時前。ボクらがオカンの家に戻った時には、お茶漬けの準備とぬか漬けの胡瓜(きゅうり)がテーブルに揃っていた。
「いっぱい飲んできたかね?」
オカンはwとボクに笑いながら言った。

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自分だけのことで夢中になっていると、駆け抜けていようと転がり続けていようと、その時間は止まっているように感じる。自分しか見えず、自分の体内時計だけを見ていれば、世界の時間は働いていないのと同じだ。
しかし、ふと足を止めて周囲を見渡す余裕が一瞬でも持てたとき、甚だ時間が経過してことに気がつく。
自分ではなく、対象となるものに目を向けたとき、どれだけ時間が止まっているように過ごした時でさえ、確実に日めくりはめくれていたのだということに気付く。
そして、その時にはなにかが手遅れになっていることに、もうひとつ気付く。
気付いた時には、取り返しのつかない時間が流れていたことがわかる。
オカンは気が付けば還暦を迎えていた。自分が二十八になることよりも、母親が還暦を迎えたことを知る方が、時間の経過を強く感じた。
「もう、バアさんやね」
「そうよ。いつ死ぬかわからんばい」
何気ない会話が何気なく済んだ時期はどんどん過ぎてゆく。

海苔会社の倉庫で積荷のアルバイトを辞めたのを最後に、ボクはバイトをしなくても何とか暮らせるようになった。
オトンの言ったように五年間遊び呆(ほう)けて見て、もうその行為自体に飽きたのか、色々な仕事に手当たり次第、興味を持ち、働くということに抵抗もなくなっていた。
借金(しゃっきん)は相変わらずだが、毎月えものとにカードを金を渡して返済に回ってもらった。

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